被害者の立場(1)

緊急寄稿●『秋葉原通り魔事件。そして私のフラッシュバック』
『京都 山科 コンビニ 強盗 』。精神科に通院中の男がコンビニ店員を刺した事件の記憶がよみがえる。詩的なよくできた文。

殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」

被害者のこころ - 犯罪被害者の心の傷を理解するために

殺人鬼とか誰かに襲われたとか、犯罪とかではないんだけど、
この事件を受けてフラッシュバックしてしまうことがある。


私の場合、いまから数年前、当時25歳学生(私)が大爆発に巻き込まれて、
うそみたいな火だるまになってしまったことがある。


\(^O^)/オワタ


youtubeにこんな火達磨映像があるけど、さすがにあんな勢いよく燃え上がってはいないと思うけど、炎に包まれている感覚はあって、体が膨張して、皮膚が溶けて、自分の境界があいまいになって、焼肉のいいにおいがして、口の中は劇辛の料理の味がしていたことだけは鮮明に覚えている。

国の研究所で起こった事故だったんだけど、およそ災害ということを想定していないかのような不手際*1で、すべての対応が後手にまわり、しかも街から遠く離れていたこともあり、結局、総合病院に着くまで3時間以上も要した*2

救急車から運び出されて病院に入るまでの無防備なポイントには、マスコミが待ち構えていて、パシャパシャと容赦なく全身黒焦げの惨めな姿を撮られた。人の不幸を許可もなく勝手に撮りやがってと、本当に殺してやろうかと思ったです。

アキバ通り魔のとき私が現場をビデオカメラに取ったのとまったく逆の構図で、もう人間ってやつはどうしよもないな。。。

妙に意識だけはさえていた集中治療室で、家族との対面、糞まみれで生きるか死ぬかの2泊3日。
そして2ヶ月間におよぶ生皮を剥いだり貼ったりの荒治療。
もう終わりかと思ったらここからが始まりで、人が直視できないマミーな風貌になっていることに絶望し、改めてがっくしの日々。

ミイラ男 衣装、コスチューム マミーホラー(男性用) サイズ STD

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昼には感情を2chにぶつけ、夜は近所俳諧という。ゆとりで近所迷惑な生活を1、2年続ける。失意と怒りを行き来するだけの感情むき出し動物で、およそ人間的な付き合いができない状況でした。


それでもなんとか卒業までこぎつけ、奇跡的にも就職することまでできた。(話せば長い)
大火傷の話をしたら、社長が感動してくれて。こいつなら背水の陣でなんでもしてくれるとでも解釈してくれたに違いない。

私の場合はうまい具合に社会に救ってもらえたからよかったものの、もし動物のまま就職できずにいたとしたら、きっとどこかで感情が爆発していたに違いない。それが通り魔になるのかなにか他の何かになるのかはわからないけれど。人間は一歩間違うだけでどうなるのかわからないものだと本当に恐ろしくなる。

BURN―熱傷の初期診療と局所療法・抗菌化学療法の指標

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*1:いまだに小火騒ぎを何度も起こしている有名な核処理施設です(笑)

*2:熱傷治療はスピードが命なので、処置までにこれほどの時間がかかったことは致命的でした