パナソニックの三洋買収について

パナソニックの狙い

  • 成長見込まれる電池ビジネスで優位な三洋電機を「魅力的」と考える有力企業は多い
  • しかし深刻化する金融問題、円の独歩高、三洋自体の財務状況により手が出ない。
  • パナ自身もプリウス向けレベルの電池部門はあるが、世界市場をリードするほどではない。
  • 今なら海外勢を出し抜く格好で円高を逆手に取れる。

2008年末に1株131円でTOB

  • 子会社化には株式の最低でも50%超が必要
  • 買収金額4000億円、投資回収期間を5年を想定
  • 市場価格との乖離のため大株主3社以外からのTOB応募はありえない
  • 大株主3社は優先株を70円で取得していたのでいい話といえる
  • パナはできる限り安く必要最低限の株がほしい
  • GS以外の大株主は残りの株を三洋の成長投資に充てたいとしている。
  • GSのみTOB応募、残りの売却を協議中としている。
  • 仮に残りの株を売却すると、発行株数が増え、1株当たりの利益が希薄化、株価下落が避けられない。個人投資家ガクブル。
  • 交渉の進捗(2009.6.12までの情報による、%は普通株換算)
大和証券SMBC 29%のうち25%を131円で売却 締結済み
三井住友銀行 11.6%のうち9%を131円で売却 締結済み
ゴールドマン・サックス証券 17%を売却する方向 交渉中
  • 発表直後には三洋の株価暴騰した


金×勢力(!=人数)が幸せになるほうに物事は動くもの

  • 大株主は市場株価は高くなればうれしい
  • 個人株主もこれにのっかればうれしい
  • 証券会社も手数料がっぽりでうれしい

アメリカの思惑

  • グリーンニューディールの中心産業である電池を国内で保護する意図が?
  • いまさら技術開発の時間がないので、独禁容認と技術提供のバーターか?

まあ、いずれにしても、言い訳のつかないことはしないのがアメリカのいいところなので、安心してみてますが。株価がどうなるかだけはまったくわからないですね。